品川ブレストでは、乳がんドック・乳がんMRIなど、
女性スタッフによる検診を行っております。
今回は、「婦人科検診でのMRIの有効性」についてご紹介いたします。
当院では5月から新たに、MRIで行う子宮・卵巣MRIドックが加わりました。
乳腺領域の他にも婦人科領域の診断にはMRI検査がお勧めです。
MRIとは、強力な磁石と電磁波を使って体内の状態を描写する検査です。
特に、脳や脊椎に有効とされますが、
子宮や卵巣などの骨に覆われた骨盤内の評価にも有効とされています。
生理不順や不正性器出血でお悩みの方も多いと思います。
MRIを受けることで、子宮内膜症、子宮筋腫および卵巣嚢腫などの良性疾患の診断のみならず、
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの悪性疾患の診断も可能です。
MRIでは子宮・卵巣と周囲の臓器を良好に映し出すことができ、病変の広がり方や形態を把握しやすいです。
悪性疾患の場合は、骨盤内進展などの評価に必要な情報を得ることができます。
MRIは、コストが高いため多くのクリニックでは設置されておりません。
また、せっかく検査を受けても、きちんとした診断ができなければ早期発見のための検査の意味がありません。
MRI装置の精度や、きちんと読影できる医師の診断を得られるかどうかが重要になります。
婦人科疾患の検査で行われる経膣超音波検査は、膣や直腸の中に細長い超音波のプローブを挿入します。
デリケートな部位なので、少し抵抗があって、検査を受けていないという方もいるかもしれません。
MRIは検査着を着て寝ている状態で婦人科領域の検査が行えます。
MRIを使用する子宮・卵巣MRIドックでは、MRIで骨盤内臓器の断層画像を撮像し病巣を発見することが目的です。
若年者でも認められる子宮筋腫や内膜症性のう胞(チョコレートのう胞)、卵巣腫瘍の有無などの良性疾患も確認できます。
画像にも映らない子宮がんを早期発見するには、細胞診検査を併用することをお勧めします。
MRIを使った子宮・卵巣MRIドックはまだ一般的ではありませんが、通常の婦人科検診では見つけられない疾患も発見することも可能です。
がんの病歴がある方や親族に子宮がんや卵巣がんの病歴のある方、月経以外の不正出血があった方、初経が早い方、
閉経が遅い方、また30歳以降で月経不順になった方など、一度しっかり調べておきたいという方にいいかもしれません。
ただし、MRI検査は心臓にペースメーカーを埋め込んでいる人や手術で体内に金属が埋め込まれている人、
妊娠中の人など検査を受けられない方もいらっしゃるので受ける前には注意が必要です。
年に一度の検診、行っていますか? 「今年中には」とか「行けたら行こう」と思っていても、
忙しい日々の生活に追われ、ついつい後回しになってしまい、「来年こそは」なんて言ってやり過ごしていないですか?
また婦人科検診というと痛いかもしれないという不安や心配、緊張するという声を聞いたりもします。
MRIは痛みを伴うことなく、また放射線を使用していないため頻回に受けても身体への影響はありません。
婦人科のがんが増える40代以降の人は一度婦人科検診を受けることをおすすめします。
病気を発症してしまう前にリスクを減らし、健康を維持していくために。